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2008.06.09

ヘックス城への道

ヘックス城      Hex Castle (Kasteel Hex),   B-3870 , Heers Belgium

なぜヘックス城なのか。そしていったい我々はヘックス城に到達することができるのでしょうか。horse

今回の旅行、薔薇には最高の季節、だから旅のついでに盛りの薔薇を見られたらいいな位の気持ちでネットで調べると、この時期の6月6,7,8日のみベルギーのヘックス城が庭を公開していることが分かりました。lovely秋の9月にも公開しますが、年にたった2回の公開です。
1998年には世界バラ会から優れた薔薇園として選ばれ、イギリスのオールドローズ研究家Peter Beales氏のHPでも推奨されていて、これはぜひ行かなくては!と俄然はりきりました。shine

ただしもう薔薇が終わろうとしているリヨンには何をおいても行かなくてはならないし、せっかくリヨンに行ったんだからパリにも行きたいし、ジヴェルニーにも行きたい(ブルゴーニュのワイナリーにも!wine)とあれこれさまよっているうちに、ヘックス城の公開日はあと6月8日のみとなってしまったのです。この段階でヘックス城に行くにはもう車しかない!とレンタカーr-markcar予約騒ぎになったわけですが、そのレンタカー予約も難しいとなった時点で今回のヘックス城行きはもう無理だねと半分あきらめました。sad

0034a それでも一応今日8日、ジヴェルニーの宿からタクシーrvcarで、もよりの駅Vernon10:53発trainに乗りパリサンラザール駅11:40着。
RER E線subwayでパリ北駅へ直行。前日コインロッカーに預けていた荷物を取り12:25発ブリュッセル行きbullettrainに駆け込みました(前回学習したのでランチは買わずに)。ここまでが一番きつかった。ブリュッセル行きのThalysに乗り込んだときは二人でハアーと大安堵。
案の定またランチbarが出て、今回はこのランチが心底おいしかったこと。Img_0039

ブリュッセルMidi駅着13:47、そのまま13:57発のLiege行きに乗れば17:00までというヘックス城公開にかろうじて間に合うはず!と祝杯の車内サービスワインまで頼んでほっと一息しているそんなとき、オランダ語、フランス語でなにやら車内アナウンス、なになに?と聞き耳を立てると最後に英語で「この列車は20分遅れでブリュッセルに到着します。謝ります。」謝まってもらってもいったい私たちはどうすればいいの?sad

20分遅れで降り立ったブリュッセルMidi駅のプラットフォームで夫と二人、途方に暮れました。
「行ってももう間に合わないし、ブリュッセルに泊まろうか、それともベルギーの別の都市をめざして観光する?」
別の都市ということならじゃあその後ドイツに行こうとしているわけだし、じゃあやっぱりLiegeを目指そう、と14:57発Liege行きtrainに乗り込みました。Liege着16:03分。でもなにやらLiegeは駅は立派だけど街並みはさびれた雰囲気despairであまり泊まりたくないなあ、じゃあさらにヘックス城に近いTongrenを目指して、閉まっててもいいからヘックス城に行っちゃおうかとLiege発16:08trainに乗り込みました。Tongren着16:44。

ヘックス城公開終了まで残り16分、急げ急げ!
でもイギリスの田舎でもよく経験したことですが、こんな農村の町にはタクシーは止まっていません。人待ちをしていた男性にタクシーの呼び方を聞くと、いろいろ親切に教えようとしてくれるのですが、共通言語が全然なし。唯一「Taxi」という言葉でなんとかわかってもらえたようで、そこの店で聞いて呼んであげると本当に携帯電話で呼んでくれました。happy01
「ここで待っていれば10分で来るから」とだけ言い置いて去っていく彼を呼び止めてあらためてお礼を言い、こんなときのためにと持参していた紙人形をせめてお渡ししました。

さあタクシーrvcarがやってきました。ドライバーは英語がわかる!助かった!
でもわかるから私たちの目指すのがヘックス城だということ、終了時間が5時だということ、もうその時点では16:55だということもすっかりわかって、彼も気の毒そうな顔に。
それでもいいんです、とお願いして田園風景の一本道を走ること20分。

行く手からは次々と立ち去る車や人。ああやっぱり無理だったか。sadImg_0050
でも門の前まで来ると閉まってる風でもなく。到着17:20。
タクシーは予定があるというで1時間後に迎えを頼み、我々は門の中へ。
(タクシーは荷物は預かれないということだったので、大きな荷物を2つ、門の脇に目立たないように置き、有刺鉄線に施錠。恥ずかしかったけど持ち歩く方がもっと恥ずかしいし大変。)
長いエントランスが続きその奥に受け付けが。
すると我々の他にもまだ今頃受付をする人がいて、ああ嬉しい、間に合ったみたいです。
聞けば一応18:30までは大丈夫とのこと。しかも入場料7.5ユーロも二人分しっかり。happy01Img_0053

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ヘックス城は18世紀後半にLiegeのVelbruck公の夏のご用邸として建てられた城だそうで、広い芝生の奥、赤煉瓦の外観も鮮やかなモダンなお城がすっくりと建っています。その裏手がヘックス城の庭。

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庭はいくつもの区画に分かれ、整形庭園、中国庭園、菜園とテーマを決めて配置されています。

その中には小さな小さな薔薇園もあるのですが(Petite Roseraie)、薔薇園は庭園全体といってもいい位、あちらにもこちらにもさりげなく薔薇があしらわれています。
それもすべてオールドローズ。heart04

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菜園の奥に薔薇園風に。菜園の壁につる薔薇を。菜園の脇にボーター風に、というように、色合いも配置も考えられて、しかも薔薇だけではなく、コンパニオンプランツも一緒の植栽。
当然ながら私はまたしても狂喜乱舞。lovely

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1時間も居られなかったヘックス城訪問でしたが、それでもここまでして来た甲斐が本当にある素敵なお庭でした。
お庭の素晴らしさも印象的でしたが、何より年に2度のフェスティバルだということで、人々が皆、会場で売っている花の苗や苗木を手に手にとても楽しそうにすれ違う風景が何とも田園牧歌的で素敵でした。

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後ろ髪を引かれつつタクシーと約束した場所に戻ると、さきほどのドライバーがもうちゃんと待ってくれています。この後近くの宿に連れて行って欲しいという話もしていたので、すぐ近くのB&Bに直行。でもあいにくとそこは一杯。fullドライバーも「このへんはあまり知らなくて」と言いながらB&Bで聞いた別の宿へとしばらく走り、我々にはどことも知れない集落に着きました。そこのホテルの前へ。「ここで値段を聞いてきてあげます、納得したらどうぞ」というそのホテル。一泊87ユーロ朝食付き。お部屋を見せてもらったらこれがいままでで一番設備がいい!confident
私たちはすぐに快諾。ドライバーはさらに細かいことも伝えてくれて、いろいろな彼の親切ぶりに夫も思わずチップを渡していました(ヨーロッパはいらないということであまり渡したこともなかった)。

この宿で今書いています。
さきほどまでここがいったい広い世界のどこなのか、全然分からなかった私たち。
町を歩いて、ようやくBorgloonという町だということが判明しました。
宿も設備もオーナーもフレンドリーで居心地いいし、町に出て入ったブラッスリーrestaurantがリヨンに並ぶおいしいお店で、感動感激の一日でした。でもやっぱり今日も疲れた。今日もというより、今日はことさら疲れました。はあーーー。でもヘックス城にゴールして達成感!大満足です。祝!ゴーーールbeer
この長文、ここまで読んでくださってどうもありがとう。じゃおやすみなさい。sleepy

kihotulip

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