ドルトムント、ヴェストファーレン公園薔薇園
Deutsches Rosarium
Westfalenpark, An der Buschmuhle 3, Dortmund, Germany
地下鉄U45,49Westfalenpark駅下車すぐ
入場料2ユーロ
6月20日
いよいよ私たちの薔薇の旅、最後の薔薇園となったドルトムントのヴェストファーレン公園の薔薇園。あまり期待もせずに訪れたのですが、その比類のない出来映えに夫と私はしばし呆然、動けませんでした。これは驚異の薔薇園、ザンガーハウゼンを越えると結論しました。
地下鉄Westfalenpark駅を降りて公園まではすぐ。公園に入って薔薇園はどこかしらと歩きはじめるとそれらしい門構え。そこから薔薇園は始まっていました。
ひとつひとつテーマ毎に小さく区画され、ロマンティックガーデン、サンクンガーデン、ミニチュアガーデンと続いていきます。
どれも整備され名札も付き、十分な見応え。しかも区画はしだいに大きくなり、コルデスの庭、タンタウの庭となるともう薔薇のブッシュも点在して見るのも走り回るほど。
ドルトムントなんだから、ぜひ薔薇のドルトムントを見なければ、と探したらありましたありました。
でもそれ以上の数々の名花の中で探すのもやっと。
右手の赤薔薇はドルトムント
ようやく区画も終わりかけたようで、そのあたりには見あたらず、じゃあ一休みとカフェでお昼。
お昼を食べ終わって帰り道、さきほどは気付かなかった薔薇のブッシュがここに、あそこに、遠くにも。え?とあわてて近くの展望タワー乗り場で薔薇園の小冊子(Deutshces Rosarium, 5ユーロ)を買ってみてみると、なんと私たちはまだ薔薇園のちょうど真ん中にしか到達していなかったのです!
そういえばそこら一体はオールドローズの植栽。それも一株一株が大株で、端から端まで歩くのも大変。
スタンダードローズばかりを集めた区画。近代薔薇の区画。そして最後の38番目の区画はというと、、、。
Rosengarten im Kaiserhainと名付けられたこの区画が驚異だったのです!
もう区画なんてもんじゃありません。
ここだけでパリのバガテル、あるいはライレローズの規模。
そして規模だけではなく、広い芝生はドラマティックに区切られ、あるいはアーチ、あるいは噴水、あるいは高低差をつけた庭を作りそこに色合いも考慮されたつる薔薇、ブッシュ薔薇、ミニバラ、原種薔薇が、薔薇だけではなくいろいろなコンパニオン・プランツと配色よく形良く植栽されているのです。
さらに驚くべきことは、そこここに彫刻が置かれて変化を付けているだけでななく、踏むと音程の違う音が出る仕掛け、鳴らすと音を奏でる仕掛け、
奥にドラ、下がっているのはパイプ。これは38番の区画ではありませんが。
回すと面白い造形となる仕掛けがあちこちに(でも決して景観的にも不自然ではなく)無数に工夫されていたことです。
なので私たちが居た間にも子供達が広い薔薇園を駆け回り、こうした仕掛けを奏で、さわりながら楽しんでいました。あまりに広い薔薇園なので、子供達が走っても静かに薔薇を見る人の邪魔にもならず、むしろ時々聞こえてくる心地よい仕掛けの音が楽しみな位でした。
ノウサギが芝生に。他にも何匹も。ヤマゲラもリスもいました。
ザンガーハウゼンを見たときに、確かに規模も品種数も世界一、と心底納得したのですが、このドルトムントの薔薇園を見た途端、世界一の基準は規模や品種数だけでは決められないと実感しました。
薔薇園としての完成度の高さ、薔薇園を越える公園としての完成度の高さ、いろいろな意味で、ドルトムントのヴェストファーレン薔薇園は(私には)世界でも屈指の薔薇園に思えました。
kiho
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