アデレード 最後に出会った珠玉の薔薇園

11月23日

アデレードも明日は出発の日。
荷物が行方不明になり、予定が狂っていままで行けずにいた心残りの薔薇園がいくつかあります。
素晴らしいと評判の薔薇園も♪今日こそ行かなくては!!

Urrbrae House
Waite Historic Precinct
The Twentieth Century and Heritage Rose Gardens

アデレード大学のWaiteキャンパス内に、Waite家の邸宅だったUrrbrae Houseという格式のある建物があります。

その南側一帯に広がるのが薔薇を中心に、ラベンダーなどこの地域の気候によく合った花々が植えられています。

薔薇は、ガーデンの名前にもなっているように、20世紀のモダンローズが邸宅の南の庭近くに｡

芝生を挟んで少し離れた南の庭にはオールドローズの植栽花壇。

生垣にはなんとナニワイバラ｡

つる薔薇が連なる通路を中心にして、西側の庭が特に素敵です!!

噴水は工事中でしたが、ラベンダーの縁取りの中はサンクン・ガーデン｡

オーストラリア由来の薔薇に囲まれて、日時計のコーナー。

西側の庭の一番南の端には、大きな木陰があり、その周辺にはヘリテージ・ローズが数多く!!もう私には堪えられません。

イギリス風の館と宿根草と薔薇の庭、どこにカメラを向けても絵になります。

この庭が再建された時、邸宅の主がもともと植えた初期の頃の薔薇はほとんどが絶えていましたが、たった２つCecil Brunner、Madame Carriereだけが強い品種として残っていて、今も邸宅のすぐ近くに植えられています。

そんな話も胸を打ちます。

邸宅は今、改装中で半分足場が組まれていて残念。

邸宅内の見学もできませんでしたが、薔薇も花盛りの美しいガーデンに夢見心地の時間でした。

さらに、心残りのヘリテージ・ローズ植栽地がもうひとつ!!
それは実は墓地なんです!!

Mitcham Anglican Cemetery

世に鉄道マニアがいるなら、私のはさしづめ墓地マニア？！

別に本当に墓地に興味があるわけではないのですが、植民地時代の国々の墓地の当時植えられたオールドローズというのに、
とてもとても胸を打たれるのです。

故国ヨーロッパの地を遠く離れ、新天地で生活を営み、でも亡くなる時に故国を偲んでお墓には薔薇を植える、故国から持ってきた薔薇を…。

というのは想像しすぎかもしれませんが、あながちそうとも言えないエピソードが、「赤毛のアン」にも描写されています。
ご存じの方も多いはず!!

孤児のアンを引き取って、アンを心から慈しんで育ててくれた親代わりのマシュー。
マシューが亡くなった時、アンがこう語っていました。
「マシューのお墓に、スコッチローズを植えたの。マシューのお母さんがスコットランドから持ってきて、マシューが大事にしていた薔薇よ」こんな語りだったと思います。まさに、ヘリテージ・ローズの状況と一緒です!!

こんな話に弱い私は、ニュージーランドのウェリントンにも、訪ね訪ねて見に行ったほど。

このミッチャム・アングリカン墓地は、ここアデレードの初期の入植者のお墓。
1880年代に植えられた松や糸杉が今も残っています。

ヘリテージ・ローズグループは、敷地内に残る薔薇や他のヘリテージ・ローズを保存しようと、ここにの一角に保存する場所を作ったそうです 。

おそらくここがそうでしょうか。
オールドローズの花の時期には遅かったため、花はなく葉が繁るだけでしたが、薔薇だけの植栽地がありました。
もう実になっている薔薇も。

いくつもの古いお墓の傍らにこんもりと薔薇の株が寄り添って植えられていました。

(アデレード、ウィンディポイントから見た市街と海)

夕方、まだ余裕があったため、アデレード植物園内の薔薇園にも行ってみました。

すると!!

Adelaide Botanic Gardens
アデレード植物園

なんていうことでしょう～！

これが、花もまだ見ごろ、レイアウトも素晴らしく、植物園ですから、手入れも名札もしっかり管理されていて、実に素晴らしい～！

なにより!!

ヘリテージ・ローズがいっぱい!!

オーストラリアのヘリテージ、・ローズは主にティーローズが多いのですが、ティーローズの品種の多いこと!!

1989年完成の大温室も背景にアクセントを付けています。

薔薇の街、といわれるアデレード、真髄を見た思いのする一日でした。

(アデレード名物、ブタさんの彫刻)
アデレード最後の夜は、やっぱりオージービーフ!!
夫はステーキ。

私は骨付きリブの煮込み。

ボリュームたっぷり!!
オージー牛みたいに太りそう～!!

街はクリスマスの飾りが目立ち始めました。

日本ほど気が早くないのか、まだ私達が来た11月初めはそれほど飾られていませんでした。

いまでもまだまだ、これから、という感じです。