かくも賑やかな薔薇の再会
11月17日ー18日
この日17日は、日本を旅立つ前から決まっていた大切なお約束がありました。
パースにお住まいの、ヘリテージ・ローズ保存のため世界的な活躍をされているDi Durstonさんにお会いすることです。
本来は2011年に開催予定だった佐倉での第12回国際ヘリテージローズ会議。
地震のため2012年に延期を余儀なくされ、関係の方々も、参加申し込みをしていた私ももちろん、翌年の開催にいったいどのくらいの方々がいらっしゃるか心配していました。
結果は、、、なんと世界14カ国から163名もの方々が参加する盛大なものとなりました。
未曾有の大地震で気持ちも沈んでいる日本を元気づけようと、世界のあちらこちらから大勢の薔薇愛好家の方々がふるって参加してくださったのです。
Di Durstonさんはその会議での講演者のお一人。オースラリアでご自身が活動なさっているヘリテージローズの発見、同定、保存活動に関してのレクチャーを、引きこまれるように美しい薔薇のスライド写真を示しながら講演してくださいました。
ご縁がありその後もおつきあいをさせていただいていたのですが、今回、薔薇の季節のオーストラリアを旅するにあたってご連絡したところ、うれしいことに日程をとっていただきお会いできることになったのです。
それでも、私はパースに数日立ち寄るだけの旅行者、ほんの少しお時間をとって薔薇園でお会いできるくらいかと思っていたら、それが!
旅行中にもご連絡をいただき、なんと当日は薔薇園のあるAraluen Botanic Parkの園長氏、さらに薔薇園長氏、さらに、元西オーストラリアバラ会の会長をなさった方もご同席されるとのお話!
それは!単なる趣味で庭園めぐりをしている私にはあまりにもそうそうたる方々ばかり!
どうなることかと心配でしたが、さすがそれは気配りの行き届いたDiさん。
他にもAussie sixer、として著作もあり、この名のついた薔薇まであるメンバー(Diさんももちろんこの一人です)のもうお一人もご参加。
さらにDiさんの友人夫妻(この方々のお庭も翌日拝見させていただけることになっていました)もご参加。
そして、皆様はもともと仲のよいお知り合いで、薔薇の最高の時季にこうして集まることを心から楽しもうと会話もはずんでいます。
心配したような堅苦しい雰囲気はみじんもなし!
それどころか、もう私も当然のお仲間のように、ねえあなた、あの薔薇はなんでしょう?この薔薇は?と誘われ和気藹々のお仲間に入れていただきました。
Araluen Botanic Park
パースのすぐ南、Armadaleに位置するこの植物園の一角に、あたりのユーカリやゴムの林に囲まれて、森と一体になった薔薇園があります。
見上げるほどの木々が林立するその足下に、そこ、あそこと花をちりばめた薔薇の大株が点在する様子は、他の薔薇園では見られない光景です。
森林の上段はオールド系、その一段下はモダンローズ、少し離れてティーローズの区画、としっかり管理され、区画の薔薇の説明もきちんと書かれています。
そんな薔薇に夢中な一行に、Diさんは森の東屋にティータイムのセッティングをご用意してくださっていました。Diさん手作りのバナナケーキ。ティー。ミルクもたっぷり!
そこでもお話がはずみます。
さらにランチはDiさんのご自宅近くのカフェをご予約してくださっていて、おいしいサンドイッチ。ベジタリアンサンドとチキンとツナサンド。
最近、果物アレルギーがさらに進んで、生のトマトまでアレルギーになってしまった夫と私。オーダーの時にそうお願いしたために、皆様、ご自分には野菜だけのベジタリアンサンドを積極的に取って、トマトなしのチキンとツナサンドをすすめてくださいます。
でもそれはあまりにも申し訳ない、どちらも同量なのに、と他の方々にも一生懸命チキン、ツナサンドをおすすめするのですが、ご遠慮なさってあまりとられません。こればっかりは健康状の問題でどうしようもないのですが、本当に恐縮でした。。。
そして午後は!
Diさんご自身のお庭へ!
なんて幸せなんでしょう~。この薔薇好きなご友人の方々とご一緒に、森に囲まれた特別な薔薇だけが植えられた特別な庭を見学できるなんて。
一番特別な薔薇は、その名もAussie Sixer。
Diさんたちヘリテージローズ保存活動をする6人のお仲間の功績を記念して、インドの薔薇育種家Viru Viraraghavan氏がその名をつけて作出された薔薇。
Aussie Sixerの実物をとうとう拝見することが出来ました。
淡いクリームの色合い、ゆるやかな花びらの重なり、まさにオーストラリアのヘリテージローズの大半をしめる、ティーローズの名花です。
小物使いもかわいく、動物の置物があちらこちらに。お孫さん達もよく遊ぶお庭だそうです。
その後、さらに近隣の薔薇のナーセリーにまでもご案内してくださいました。
Swiss Rose Nursery
そこにあったのは。。。
Diさん作出の薔薇だそう!
St. Mary's Girl
Diさん自ら、苗の花を折り取って一輪、手渡してくださいました。
リンゴの香り、そのもの!しかもこの可愛いらしさ!
作出した苗木をご出身の学校に寄贈し、それは奨学金として使われたそうです。
この盛りだくさんの一日。美しい森の薔薇園、森のガーデン、薔薇のナーセリー。
その最後に可愛いピンクの薔薇一輪。
素敵な素敵なため息の出るような一日でした。
さらにこれが、明日、ご友人のお庭でも続きます。。。ご友人が、お庭を見せて下さることになっているのです♪
11月18日
朝9時半、ご友人の家に直接向かった私達。
カーナビは目的地に到着した、と言うのですが辺りは高層マンション群。
昨夜、ご友人の御主人様からも詳しく教えていただいた場所はこの辺なのに…と、途方にくれ最後の手段のスカイプ電話をかけてみると、電波が悪くぷっつりと切れてしまいました…!
にわかに雨まで降り始めます。
ぐるぐると車を動かし始めた私達に向かって、ふと気づくと傘をさして近づいて来る見覚えのある姿が!!Diさんです!!
やっぱりそう外れた場所ではなかった、とDiさんのお顔を見てホッとする私達。
ご友人のお家はどちらですか?とお聞きすると「ここよ」と高層マンションを。
え!?ではお庭は?と、さらに不思議な思いでお聞きすると、なんとまあ
お庭というのはこのマンションの前庭一帯!!それも半端な広さではありません。
入り口には水路が作られ、日本庭園風な橋を渡ると、
広い芝生とプールの左手にはイエロー・ブルーガーデン。
その奥にはハーブ・ガーデン。
さらにその奥のアーチをくぐると、ロマンチックガーデン。
ご友人の御主人ジョンさんとこのお庭の管理会会長のご婦人が丁寧にご案内してくださいます。
さらに、この庭専属のガーデナー、ピーターさんまで登場~!!
昨日から、いったい何人の方からご案内していただいたことか!!
プールの奥にはローズガーデン。
2週間前がベストだったそうですが、私にはとっても花盛りに見えます(それはそうですよね、晩秋の日本から来たのですもの。)
一段下のガーデンはヘリテージローズのガーデン。ここはDiさんがまた丁寧に説明してくださいます。国際会議でDiさんがスライドに使っていたティーローズがいくつも!!
この中段には、また素敵にお茶のセッティングが用意されていて、ご友人エリザベスさんお手製のフルーツケーキ!!
このお茶の席でエリザベスさん、「Kiho、あの写真をピーターに見せてあげて!!」
なにかと思ったら、昨日、手持ちの我が家の庭の(きれいな時の)写真がなくて、とっさにスマホで撮っていた旅行直前の冬囲いの写真をお見せしていたのです。
それが実は大ウケ!?で、昨日も話題だったのですが、今日もそれをガーデナーのピーターさんに見せて、というリクエスト!
!
(この写真です)
そうですよね~一本一本の薔薇をすべて縄と竹で結わえるなんて、きっと異国情緒たっぷりに違いありません…。
日本でだって、雪国限定シーンですもの。
お茶の後は三々五々、Diさんとはここでお別れ。
またいつかどこかで、きっと、絶対、お会いできるはず!!そう信じて、この素晴らしいおもてなしの感謝をお伝えしてお別れしました。
エリザベスさん、オージーシクサーのご友人と近くの植物園へ。オーストラリアならではの植物がしっかり名札が付いていて勉強になります。
その後、植物園脇のおしゃれなカフェに予約をとっていて下さってご一緒にランチを。
昨日からずっと、皆さまの至れり尽くせりのおもてなしには本当に大感激の連続!!恐縮の限りです。
この日のおもてなしに、心からの感謝をお伝えしてお別れしました。
「写真をEメールで送って!!」とエリザベスさん。
もちろんお送りしますとも!
感謝の気持ちをそんなことでせめて少しでもお伝えできるなら♪
(植物園から見たパースの街並み)
さあ、パースを後にして、今度は友人夫妻に会いにアデレードへ!!
と、到着したら、なんと!!
夫と私のスーツケースがmissing行方不明
よく聞く話ですが経験したのは初めて!
なんとまあ、まだパースにあるそう!!
明日まで着の身着のままです 、、。
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