David Austin薔薇園 贅沢な午後
2012.6.29
David Austin Roses Ltd.
Bowling Green Lane, Albrighton, Wolverhampton, WV73HB
David Austinの薔薇園には、1999年にも友人と訪れたことがあります。
でもまったくそのときの面影はありませんでした。
テーブルが2,3卓だけだったティールームは、専用のレストランが建ち、お昼時だったので待つ人が列を作っていました。
ティールームの片隅に書棚があるだけだったショップも、専用の建物の中に書籍のコーナー、食器のコーナー、その他のグッズのコーナーと広がっていました。
そしてイギリスのスコッツ・ローズ研究の第一人者、Peter Boyd氏とお会いしました。
日本でこの5月末から6月上旬に開かれた「国際ヘリテージローズ会議2012、佐倉」でお会いしたときは、とても近寄りがたい学者風な雰囲気を持った方というイメージでしたが、このときはとても気さくに歓待してくださり、かけている眼鏡がお天気だとサングラス仕様になって、薔薇の色がどぎつく見えるんだよ、とはずして見せてくださる陽気さ。
そうなんです!
前日も「洪水、洪水」とニュースで流れ続けていたここ、Shropshireは、この日も雨が心配される天気予報でしたが、私達が薔薇園にいる間は輝くような青空。
Boyd氏も「こんな天気になるとは思わず帽子を忘れて」と傘を持ちあげて笑っていらっしゃいました。
お天気ばかりではなく、薔薇もまた、最盛期でした。
あふれんばかりの薔薇。咲き具合もちょうどよく、日に輝き、それはそれは見事な花々。
そして、薔薇園。
以前の面積の6、7倍はあるでしょうか。
そこに、これでもかというくらい色彩豊かなイングリッシュローズが、オールドローズが、原種薔薇が咲き競っています。
その華やかなイングリッシュローズのかたわらに、楚々と植えられている原種薔薇も、結構な数です。
そのひとつひとつを、イギリスの原種薔薇の専門家でいらっしゃるBoyd氏が説明してくださる贅沢さ。
名札にはScottish Roseとあるが、Scots Roseという言い方が正しい、Scotch Roseというよりはましだが。。。とBoyd氏らしい解説ぶり。
Rosa californica
そんなお話は楽しいのですが、専門的なお話は高度で、私にはついていけず頭がくらくらするほど。
ある時思い切って、大変申し訳ないのですがもう一度お聞きしたいのですが、とお願いすると、少し沈黙され、私は失礼だったかしらとどぎまぎしていました。
すると、。。。
R. spinosissima Single Cherry
もっとていねいにかいつまんで解説してくださいます。
私にわかるように話してくださるために、しばし沈黙されたのです。
本当になんて贅沢な講義でしょう。
この日、奥様はお仕事があっていらっしゃれないとのことで、わざわざ私宛のカードを言付けてくださいました。
奥様とも日本の国際ヘリテージローズ会議でお話する機会があり、今回お会いできなくてとても残念でしたが、まさかこんなカードをわざわざ書いてくださるなんて。
すべてが贅沢な、贅沢すぎる午後でした。
まだ明るい夏時間の夕方、Boyd氏に心からのお礼を申し上げ、カメラマンに徹した夫と共に薔薇園を後にしました。
薔薇咲き乱れる初夏の午後、こんな濃密な充実の時間を過ごし、心も胸も感激でいっぱい。忘れられない貴重で光栄な薔薇園訪問となりました。
R. eglan Lord Penzance
R. eglanteria
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コメント
すばらしい!!
神様からのプレゼントですね。
投稿: Junko | 2012.07.06 10:17
Junkoさま、
ありがとうございます~。
ご一緒した時とはずいぶんと変わってびっくりしました。
思えば、その後のイングリッシュ・ローズの人気はすごいものがありますよね。
キュ・ガーデンの薔薇園がイングリッシュ一色でびっくりしました。
投稿: kiho | 2012.07.06 15:34