ハットフィールド・ハウス、女王となる日
ハットフィールド・ハウス
Hatfield House
Hatfield, Hertfordshire, AL9 5NQ
入場料:庭と建物 16ポンド
ハットフィールド・ハウスの庭が素晴らしい庭だという知識はあったのですが、まさかそんな歴史的場所だったなんて!
ここにはエリザベス1世が少女時代から娘時代を過ごしたという雰囲気のある古いレンガ作りの館、オールド・パレスがあります。
ヘンリー8世の死後、自分の母違いの姉が王位を継ぎ、ここで不遇の生活を送っていたエリザベス。
ある日、少女の頃からのお気に入りの場所、館から少し離れた庭の樫の木の下で本を読んでいるエリザベスのもとへやってきた使者が告げた言葉。。。
「陛下、たった今あなたは女王になられました」
この劇的な瞬間がここ、ハットフィールド・ハウスの広大な芝生のその先に、幾本もの樫の木の古木が点在するその1本の木の下で繰り広げられたのです。
その樫の木は30年前に枯れてしまったそうですが、最近まで残っていたなんて驚きです。その後現在のエリザベス2世によって植えられた樫の木が今はほどほどの大きさに育っています。エリザベス1世が女王となったその瞬間を目撃した樫の木も、当時はこんな大きさだったはず、と本館にいるガイドさんが言っていました。
建物としては本館の方が公開されて、エリザベス1世の肖像画などの展示を見ることができますが、庭は、エリザベス1世が住んでいたオールド・パレスの前に広がる西の庭が公開されています。
(東の庭も限定的に公開。)
この庭が本当に素敵でした。
オールド・パレスの真ん前にあるのは、ツゲで幾何学的に描かれたメイズ・ガーデン。ツゲだけの植栽部分、ツゲの模様の中に花々やオールドローズを植えた色合い豊かな部分とわかれて、オールド・パレスの古いレンガ壁に実によく映え、どこにカメラを向けても見事に絵になります。
ここは、エリザベス1世時代、プラントハンターとして当時の第一人者だったトラディスカント父子が、館の持ち主セシル卿のもとで世界の珍しい花々をあしらって作り上げた庭だったそうで、それを現在のソールズベリー侯爵夫人がなるべく当時の古い植物を復元して、再生させたのだそうです。
なるほど、だから薔薇はオールドローズなんですね。
その他にも、噴水を中心に、華やかな宿根草と混栽されたミックス・ガーデン。
香りの良いハーブ、イングリッシュ・ローズ、オールドローズと植栽されたセンティッド・ガーデンと、どれもが趣向を凝らしながら、しかも色取り良く、配置よく、目の前にあらわれます。
ここのティールームで軽い昼食をとった後も、私はまたひと通り、同じ庭を回ってしまいました。そんな不思議に離れがたい、心惹かれる庭でした。
今夜の宿はケンブリッジ。
夏時間で夜の9時過ぎまで明るく、ケンブリッジ大学の舟めぐり、パントでケム川観光までしてしまいました。
バラ戦争の頃からあったというケンブリッジ大学。
イギリスの歴史も深いです。
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