ザンガーハウゼン薔薇園
ザンガーハウゼン薔薇園
Europa Rosarium
Steinberger Weg 3, Sangerhausen
6月18日
カッセルから列車で2時間、初めて旧東ドイツの街に降り立ちました。
とはいえ東西ドイツ統一の1989年からもう20年。旧西ドイツ旧東ドイツの違いなど、一旅行者が日帰り旅行したくらいでは全然わかりませんでした。
でも多少、いままでの都市よりは街並みも少し疲れた感じ。痛んだままの古い家がときどき目に付きました。
駅に降りてすぐは、そんなザンガーハウゼンの印象でした。
停まったバスの運転手さんにRosariumに行くか聞くと行くという返事。ちょうど運転手交代の時だったようで、次の運転手に交代。その運転手さん、前の運転手から伝言されていたのか街の中心部で隣のバスに移りなさい、と隣のバスまで私たちを案内してくれました。そのバスに乗りしばらく行くとその三番目の運転手さん、ここだよと合図。降りてからも私たちの行く方向をバスの中から大きく身振りで教えてくれました。
なんと3人もの運転手さんが次々と伝言してくれて、東洋から来た物好きを薔薇園に案内してくれたのです。
ザンガーハウゼン、疲れた街だなんて言ってごめんなさい。
しかもそれどころじゃありませんでした。
街中はもうバラ、バラ、バラ。家の戸口にはつる薔薇、歩道にはポール仕立て。
薔薇園に近づくと、いきなり走り去るのは薔薇自動車。横にいるのは薔薇バス。
薔薇園の入り口はカフェや売店がイベント会場のように整備されていて、まるで薔薇のテーマパーク。
ドイツが東西に分かれた後、西ドイツの人々は、当時からすでに世界最大をうたわれていたこの薔薇園が消えてしまったのではないかと心配していました。でもベルリンの壁が崩れドイツが統一された時、嬉しいことにザンガーハウゼン薔薇園は立派に存続してたのです。それでも東ドイツ時代の商業主義ではない、だから面白みのない薔薇園を私は想像していました。
ところがこれは大きな間違いだったと遠目に見ても分かりました。
入場料8ユーロ。
薔薇園の中に入ると人、人、人。
ドイツ語以外にも聞こえてくるのはフランス語、イタリア語、バスで乗り付けるツアー客。これはもう面白みのない薔薇園どころじゃありません。
入り口すぐにあるのは新しく整備された薔薇園で、そこはパリの薔薇園のように整形されアーチや噴水、ベンチなどで構成されていましたが、奥に展開するのは1903年に開園された頃の面影を残し、深い森を背景にして薔薇の植栽の間を散策できるようになっていました。
ここら辺のオールドローズの植栽にたどり着いた私はもう大変。抜け出すことが出来ません。
オールドローズの花盛りを見たくてここまで旅して来ましたが、古い古い薔薇たちはちゃんと私を待っていてくれました。カッセルの水辺の薔薇園も、ザンガーハウゼン薔薇園も、オールドローズまさにいま真っ盛りです。
薔薇にはどれにもしっかりと品種名が付いていて、薔薇以外の植栽も考えられていて手入れもよく、ここまではるばるやってきた意味が充分ある薔薇園でした。
ちょっと可笑しかったのは、あまりに薔薇の品種が多すぎて、つる薔薇の枝を横に広げて展開させる余裕がないのか、つる薔薇がどれも支柱1本の直立仕立て。無数に林立するつる薔薇という仕立て方を初めて見ました。
規模の大きさも確かに世界一。手入れも一級。品種数も世界一。薔薇の旅の最後を飾るのにぴったりの薔薇園と言えるでしょう。
、、、あ、まだ最後にはならないはず。明日私たちはドルトムントに向かいます。
道には10mごとに薔薇園へといざなう薔薇マークが。
ただし薔薇園までは1.5kmあり登りのため歩くのは大変。駅前にはたくさんタクシーが停まっていますからそれを利用するか、バス、または薔薇トレイン(?)。
追記:
とカッセルに帰る列車の中でこれを書いていたらいきなり夫。
「この列車カッセルに行かない」
荷物をひっつかみパソコンを開いたまま大あわてで降り立った駅はどこ?
エアフルトと判明。
時刻表やら駅の自動販売機の時刻表印字機能を駆使して、いままで間違えずに乗り換えてきた夫の初めてのミス。
「うふふ、ばらしちゃお。」
と、今あらためてカッセル行きに乗り換えて、余裕になった妻。
でもカッセルに着くのは7時過ぎだわー。
夫のミスというよりも、ザンガーハウゼン駅の同時刻、同プラットフォームに違う列車が入ってきて乗ってしまったみたいです。列車が遅れたりするとたまにこういうことがあります。プラットフォームが突然変わってしまう。実際、今回あらためてカッセル行きに乗ろうと待っていたプラットフォームも直前に反対側に変わっていました。(夫のために弁明するけなげな妻!?)
kiho
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コメント
見渡す限りのバラの海ですね・・・
薔薇の香りに酔いしれてしまったことでしょう
直立するつるばらなんて、なんだかドイツのイメージにぴったり!
でも、ちょっとこわそうですね・・・
投稿: kz | 2008.06.20 10:03
kzさま、
こわくはないんですが、やっぱり可笑しかったです。
つる薔薇は横に広がってこそ、と思いますもの。
kiho
投稿: kiho | 2008.06.27 22:53
始めまして・・・ 静岡で薔薇を愛しエンジョイ係数を高めている63歳男性です。
ヨーロッパ薔薇旅行を見て少し教えて欲しい事があります。 娘がドイツ人と結婚しデュっセルに住んでおり、6月から約50日間行く予定です。 その間 EU各地の薔薇園を見て回りたいと計画中です。
是非、経験談・ノウハウ等をご指南頂ければ大変 幸甚です。 宜しくお願い申し上げます。
投稿: 深井 源蔵 | 2009.02.03 18:10